去る5月29日、古熊神社神田にてイセヒカリ御田植祭を執り行いました。
イセヒカリとは
イセヒカリとは、伊勢の神宮さまにて生まれたお米です。
平成元年(1989)に三重県伊勢地方を襲った台風の影響にて、伊勢神宮の神田に植えられていたコシヒカリがなぎ倒されてしまいました。
絶望のなか職員の方が見回りをされていると、奇跡的に2株だけ直立している稲を発見。
あの嵐から生き残ったこの稲はただ者ではない、ということで試験栽培が始められました。
その後、山口県農業試験場長であった岩瀬平氏が依頼され研究を進めていくと、嵐や病気に強くそして甘い、コシヒカリの突然変異種であったことが分かり、伊勢神宮の少宮司さまより「イセヒカリ」という名前がつけられました。
このイセヒカリを岩瀬氏は、
「いざ日本が食糧難となっても、このお米があれば日本人は生きていける。まさに神さまから授かった”奇跡のお米”」であると述べられています。
イセヒカリのおもしろい特徴
そしてもう一つ、イセヒカリにはおもしろい特徴があります。
それは、商売気を出すと育たない、ということです。
誕生のエピソードが神秘的であることから、当初は様々な方が商売に生かそうとイセヒカリを植えられました。
しかしなぜか、そのような気持ちで植えるとうまく育たなかったそうです。
このイセヒカリは商売ではなく、我々日本人が忘れようとしていた稲に対する感謝の心、そして自然に対する謙虚な気持ちを呼び起こすため、生まれてきたのかもしれません。
現在、このイセヒカリの原種は岩瀬氏のご縁により山口県神社庁にて大切に保管され、県内各神社の神田にて育成が続けられています。
御田植祭を終えて
当社にてイセヒカリの御田植祭が行われてからはや10年以上。
この2年間はコロナ禍にて早乙女さんもいない、寂しい祭典でした。
しかし、今年は早乙女による田植えが復活。
素晴らしい天気のもと、無事に祭典を執り行うことができました。