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狛犬台座のおはなし

先日、1枚の古い写真を見つけました。



ビシッと羽織袴の方々が並び、左右には凛々しい姿の真新しい狛犬、そして真っ白な台座。

この写真は昭和の初め頃、今から約90年前に撮影された、狛犬を奉納された方々の記念写真です。

因みに、今現在の狛犬の様子はこちらです。



今の狛犬と少し形が変わっています。

なぜかというと、この当時の狛犬は戦時中、軍に徴収されてしまい現在は残っておりません。

現在の狛犬は平成2年、今から30年前に御代替りの御大典記念として奉納されたものです。


しかし、台座だけは変わらず当時のままです。

台座にはこのように記されています。


少し読みづらいですが、「山口大殿小學校 明治二十八年入學 同級會員(会員)」。

当社の近くにある大殿小学校の、明治28年度入学の同窓生にて奉納されたものと分かります。

実は最初の写真の内、一列目の右から4番目の髭をたくわえている男性は、古熊神社の第37代宮司です。当時の宮司とその幼なじみの方々とで、狛犬と台座を献納されたわけです。


先日とある60代くらいの方がお参りに来られた際、

「小さい頃よくお参りに来ていた古熊さんに久し振りに来てみたら、境内の様子が全く変わっていなくて安心した。」とおっしゃられていました。

山口も田舎とはいえ、色々な場所の様子や景色が変化してきています。

そんな中、久し振りに郷里を訪れた方が景色が変わらず安心する場所、それが神社なのかな、と思った瞬間でした。

この狛犬の台座にしても、90年間変わらずここに在り続けることの意味を感じます。


社務所の整理にて古いアルバムや写真がたくさん出てきました。

また時をみて、順次ご紹介出来ればと思っています。

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